サジュと四柱推命は同じものですか
サジュは、韓国語の「사주」をカタカナで書いた言葉で、漢字にすると「四柱」です。韓国学中央研究院の『韓国民族文化大百科事典』は「四柱」の項目で、この名前を、人を一軒の家にたとえ、生まれた年・月・日・時をその家の四本の柱と見たものだと説明しています。四本の柱はそれぞれ干支の二文字で表すので、合わせて八文字になり、八字(팔자)とも呼ぶ、とあります。
日本の辞書が書く四柱推命も、同じものを指しています。コトバンクに収録された『デジタル大辞泉』は、四柱推命を「生まれた年・月・日・時を四つの柱としてその人の運命を占うもの」と定義し、中国で宋代に大成されたといわれる、と添えています。同じページの『改訂新版 世界大百科事典』には、年・月・日・時をそれぞれ二字の干支で表すことから、もとは「八字」と呼んだ、とあります。
「推命」という言葉も共通です。韓国民族文化大百科事典は、四柱の構造を分析し総合して、その人の吉凶禍福を推し量ることを推命(추명)という、と書いています。韓国で「四柱を見る」と言うのはこのことだ、とも説明しています。
命式の八文字の出し方も同じです。下の表は、韓国民族文化大百科事典の記載と、サジュナビの計算を並べたものです。
| 柱 | 韓国民族文化大百科事典の記載 | サジュナビの計算 |
|---|---|---|
| 年柱 | 立春を新しい年の始まりとする。旧正月を過ぎていても、立春の前なら前の年の干支を使う | 立春の瞬間に切り替える |
| 月柱 | 月は1日ではなく、節気の始まりで替わる。天干は年干から決まる(月頭法) | 12の節の、節入りの瞬間に切り替える |
| 日柱 | 万歳暦(만세력)に載っているその日の干支をそのまま使う | その日の干支を使い、23時(子の刻の始まり)に翌日へ切り替える |
| 時柱 | 1日を子の刻から亥の刻までの12に分ける。天干は日干から決まる(時頭法) | 2時間ごとの12の刻。出生地を一覧から選べば、真太陽時で決める |
この表の規則は、無料サジュ占いの計算例(1995年3月15日14時30分、東京都生まれ)で確かめられます。計算例の年柱は乙亥、日柱は乙巳です。事典によると、年干が乙か庚の年は寅月が戊寅から始まるので、次の卯月は己卯です。日干が乙か庚の日は子の刻が丙子から始まり、順に数えると未の刻は癸未です。計算例の月柱は己卯、時柱は癸未で、事典の規則どおりになっています。
サジュと日本の四柱推命で違いが出うる点
八文字の出し方が同じなので、違いは計算の前後にある慣行から生まれます。先に断っておくと、「韓国式」と呼べる公式のルールが一つあるわけではありません。韓国民族文化大百科事典の「四柱」の項目そのものが、複数の立て方を並べて書いています。日本側も事情は同じです。今回確認したコトバンクの「四柱推命」の各辞書の項目には、時刻の補正や日付の切り替えを定めた記述がありません。下の表は規則どうしの対比ではなく、出典で確かめられる範囲の傾向です。
| 項目 | 韓国のサジュについて確認できること | 日本の四柱推命について確認できること | サジュナビの扱い |
|---|---|---|---|
| 標準時と出生地の経度 | 時計は東経135度の時刻。ソウルは東経127度付近で、時計が約32分進んでいる。場所に合わせて日の境目をずらす立て方もある | 時計は東経135度の時刻。東京では時計が約19分遅れている | 出生地の経度と均時差で真太陽時に直す |
| 標準時とサマータイムの歴史 | 1954〜1961年は30分遅い標準時。サマータイムは1948〜1951年、1955〜1960年、1987〜1988年 | 1888年から同じ標準時。サマータイムは1948〜1951年 | 当時の時差を記録から読み、夏時間の1時間を戻す |
| 日付の切り替わり | 0時を境に日柱を替える立て方もある | 辞書の項目に定めはない | 23時に替える。出生地を一覧から選べば真太陽時の23時 |
| 子の刻の扱い | 夜子時と朝子時の二つに分ける立て方もある | 辞書の項目に定めはない | 23:00〜00:59を一つの刻として扱う |
| 用語 | 六親、偏官、印綬、十二運星、歳運、宮合 | 通変星、偏官、印綬、命式 | 日本の四柱推命の用語で表示する |
| 重視する項目 | 均衡と調和を重んじ、用神をもっとも重視する | 命式から吉凶や禍福を推し量る。解釈は中国などと大きく違うとされる | 日干、五行、身強・身弱、通変星、神殺、大運を表示する |
| 使われ方 | 名付け、方位、相性(クンハプ)を四柱に合わせて整える | 占いの一つと定義される | 命式の計算と、伝統的な読み方の説明 |
上の四つは、命式の八文字そのものを変えることがあります。下の三つは、言葉と読み方の違いです。
同じ生年月日時でも日柱と時柱が変わるのはなぜですか
年柱と月柱は、サジュでも日本の四柱推命でも違いが出にくい部分です。この二つは立春と節入りの瞬間に切り替わり、その瞬間は太陽の位置で決まります。日本と韓国は現在どちらも協定世界時より9時間進んだ標準時を使っているので、節入りの時刻は両国の時計で同じ読みになります。たとえば2027年の立春は2月4日の10時46分ごろで、ソウルの時計でも同じ時刻です。この年の干支は2027年・丁未の年で扱っています。
違いが出るのは日柱と時柱です。この二つは「生まれたとき、その土地で何時だったか」で決まりますが、時計の時刻と太陽の位置は一致しません。国立天文台暦計算室の暦Wikiによると、日本の標準時は東経135度の時刻、つまりグリニッジの時刻に9時間を加えたものと定められ、1888年(明治21年)1月1日から使われています。東経135度は、兵庫県明石市などを通る子午線です。韓国の時計も現在は同じ東経135度の時刻ですが、ソウルは東経127度付近にあります。
下の表は、IANA タイムゾーンデータベースに記録されている両国の時計の履歴です。サジュナビの計算機が実際に参照しているデータでもあります。表の中の地方平均時は、その土地の経度に合わせた平均太陽時のことです。
| 項目 | 日本(東京) | 韓国(ソウル) |
|---|---|---|
| 現在の標準時 | 協定世界時+9時間 | 協定世界時+9時間 |
| 標準時ができる前の地方平均時 | 協定世界時+9時間18分59秒 | 協定世界時+8時間27分52秒 |
| 現在の時計と地方平均時の差 | 時計が約19分遅れている | 時計が約32分進んでいる |
| 標準時が現在と違った時期 | なし(1888年から同じ) | 1908年4月〜1911年末と、1954年3月21日〜1961年8月9日は協定世界時+8時間30分 |
| サマータイムを実施した年 | 1948〜1951年 | 1948〜1951年、1955〜1960年、1987〜1988年 |
ソウルでは、時計が地方平均時より約32分進んでいます。韓国民族文化大百科事典は、その人のいる場所に合わせて日の境目をさらに細かく決める立て方があり、ソウルの場合は0時32分47秒を新しい日の分かれ目にする、と書いています。時計ではなく、土地の太陽に合わせる考え方です。
同じことは日本の中でも起こります。経度1度の差は、時間にして4分です。東経135度の地点とくらべると、札幌では約25分早く、那覇では約29分遅く太陽が南中します。那覇の経度は、ソウルとほぼ同じです。下の表は、1995年3月15日の13時05分に生まれた場合の時柱を、サジュナビで出生地だけを変えて計算したものです。
| 出生地 | 真太陽時への補正 | 真太陽時 | 時柱 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | +16分 | 13時21分 | 癸未 |
| 東京都 | +9分 | 13時14分 | 癸未 |
| 愛知県 | −2分 | 13時03分 | 癸未 |
| 大阪府 | −8分 | 12時57分 | 壬午 |
| 福岡県 | −28分 | 12時37分 | 壬午 |
| 沖縄県 | −39分 | 12時26分 | 壬午 |
| 補正なし(時計の時刻のまま) | 0分 | 13時05分 | 癸未 |
日柱はどの出生地でも乙巳です。変わるのは時柱で、真太陽時に直すと、この表では大阪府、福岡県、沖縄県が午の刻に入り、壬午になります。真太陽時に直さない命式表なら、どの出生地でも癸未です。ほかのサイトで出した四柱推命の命式と時柱が食い違うときは、まずこの補正の有無を確かめてください。
サジュナビでは、出生地として47都道府県を選べます。経度は都道府県庁所在地の値を使い、太陽の動きの季節差である均時差も合わせて補正します。日本で生まれた人が、出生時刻を韓国時間に直す必要はありません。ソウルの約32分というずれは、ソウルで生まれた人に当てはまる値です。東京の経度による差は約19分で、向きも逆です。韓国など一覧にない土地で生まれた場合は、タイムゾーンを選びます。このときは経度がわからないため、真太陽時への補正はせず、標準時の時計の時刻で日柱と時柱を決めます。サマータイム中の生まれなら、進められていた1時間は先に戻します。補正の式と出生地ごとの幅は、計算方法と運営者に載せています。
サマータイムの時期に生まれた人の時刻はどう扱いますか
IANA タイムゾーンデータベースの記録では、日本は1948年から1951年まで、韓国は1948〜1951年、1955〜1960年、1987〜1988年にサマータイム(夏時間)を実施しています。この期間の夏は、時計が1時間進められていました。サジュナビは同じ記録から夏時間の期間を判定し、進められていた1時間を戻してから日柱と時柱を計算します。
日本の例を挙げます。1950年7月1日の13時30分に東京都で生まれた場合、夏時間の1時間に経度と均時差を合わせた補正は−45分で、真太陽時は12時45分です。時計のままなら未の刻ですが、サジュナビでは午の刻になり、時柱は丙午です。
韓国の例では、1988年7月15日の13時30分にソウルで生まれた場合がこれにあたります。タイムゾーンで Asia/Seoul を選ぶと、夏時間の1時間を戻した12時30分で計算し、時柱は甲午になります。
韓国には、標準時そのものが違った時期もあります。1954年3月21日から1961年8月9日までは、標準時が現在より30分遅い協定世界時+8時間30分でした。この時期のソウルの時計は、地方平均時との差が約2分でした。サジュナビでタイムゾーンを選んだ場合、日柱と時柱は当時の時計の時刻のまま決め、年柱と月柱を節入りと比べるときには当時の時差を使います。
23時から1時に生まれた人の日柱はどうなりますか
子の刻は23時から1時までで、真夜中の0時をまたぎます。日柱をどの時点で翌日に替えるかは、ここで分かれます。韓国民族文化大百科事典は、子の刻を23時から1時までの一つの刻として説明したうえで、これを夜子時(야자시、23時〜0時)と正子時(정자시、朝子時とも。0時〜1時)に分け、それに応じて日柱を別々に立てることもある、と書いています。
サジュナビは子の刻を分けません。23時に子の刻が始まり、同時に日柱も翌日の干支に替わります。出生地を一覧から選んだ場合、この23時は真太陽時の23時です。1995年3月15日に東京都で生まれた場合を、サジュナビで計算すると次のようになります。
| 時計の時刻 | 真太陽時 | 日柱 | 時柱 |
|---|---|---|---|
| 3月15日 0時20分 | 0時29分 | 乙巳 | 丙子 |
| 3月15日 22時49分 | 22時58分 | 乙巳 | 丁亥 |
| 3月15日 23時10分 | 23時19分 | 丙午 | 戊子 |
23時10分生まれの日柱は、サジュナビでは翌日の丙午です。0時で日付を替える立て方なら、同じ人の日柱は3月15日の乙巳のままです。日干が乙から丙に替わるので、日干を基準にして出す通変星なども変わります。ほかの命式表と日柱が一日ずれているときは、まずこの違いを確かめてください。
サジュナビでは、日柱を翌日に替えた場合、命式の下の「この命式の計算基準」に「計算に使った時刻が23時を過ぎています。」で始まる注記を表示します。出生地が一覧になくタイムゾーンを選んだ場合は、真太陽時ではなく標準時の時計の23時が境目です。日干が何を表すかは、日干の調べ方にまとめています。
用語はどう違いますか(通変星と十神、印綬と正印、偏官と七殺)
用語の大半は同じ漢字で、韓国では韓国語の読みで発音します。下の表は、サジュナビで使っている日本語の呼び名と、韓国民族文化大百科事典の「四柱」の項目に出てくる表記を並べたものです。事典の漢字は日本の字体に直しています。
| 日本語の呼び名 | 韓国民族文化大百科事典の表記 | 補足 |
|---|---|---|
| 命式 | 四柱(사주)、八字(팔자) | 事典は「四柱を立てる」「四柱を見る」と表現する |
| 万年暦 | 万歳暦(만세력) | 年・月・日の干支を引く暦 |
| 日干 | 日干(일간)、己身(기신) | 日柱の天干。同じ字を使う |
| 通変星(十神) | 六親(육친) | 日干とほかの字の関係を表す名前 |
| 偏官 | 偏官(편관) | 同じ字。七殺は別名 |
| 印綬 | 印綬(인수) | 同じ字。正印は別名 |
| 蔵干 | 蔵干(장간)、暗蔵干 | 地支に含まれる天干 |
| 十二運星 | 十二運星(십이운성)、胞胎法 | 同じ字を使う |
| 神殺 | 十二神煞(십이신살)、吉星、凶星 | 日本では神殺と書く |
| 大運 | 大運(대운) | 十年ごとの運。同じ字を使う |
| 年運 | 歳運(세운) | 一年ごとの運 |
| 身強 | 身旺(신왕) | 日干の力が強い状態 |
| 相性 | 宮合(궁합、クンハプ) | 二人の四柱を合わせて見る |
通変星について、コトバンクに収録された占い用語集は「命式において、日干から見た他の十干の関係をあらわしたもの」と説明し、比肩・劫財・食神・傷官・偏財・正財・偏官・正官・偏印・印綬の十種類を挙げています。韓国民族文化大百科事典は同じ関係を六親と呼び、格局の名前として正財・偏財・正官・偏官・印綬・食神・傷官を挙げています。偏官と印綬は、日本の用語集でも韓国の事典でも同じ字です。
十神は通変星の、正印は印綬の、七殺は偏官の別の呼び名です。サジュナビの結果では見出しを「通変星(十神)」とし、星の名前は日本の四柱推命に合わせて偏官・印綬と表示しています。偏官の説明には七殺、印綬の説明には正印という呼び名も添えています。「韓国式なら正印、日本式なら印綬」と決まっているわけではありません。
天中殺は、四柱推命の空亡にあたる言葉です。コトバンクの占い用語集は、空亡を「十干と十二支を組み合わせたときに出来る余りの二支」と説明し、これを算命学では天中殺と言う、と書いています。韓国民族文化大百科事典の「四柱」の項目には、空亡も天中殺も出てきません。サジュナビの結果にも空亡の欄はなく、神殺としては貴人16種と桃花・駅馬・華蓋を表示します。
読むときに重視する項目と使われ方の違い
韓国民族文化大百科事典によると、四柱は日干を中心に、干支どうしの合と冲、六親の関係、陰陽の調和、五行の生剋、十二運星、十二神煞、吉星と凶星、刑・破・害・怨嗔を見て、総合して判断します。何よりも重んじるのは均衡と調和です。命式の偏りを整える五行を用神と呼び、推命でもっとも重視するものとしています。用神を決めるには、日干の強弱と命式の構造から格局を見きわめる必要があり、格局は50種類あまりに分類される、とあります。
日本の辞書は、読み方の中身まではあまり書いていません。占い用語集は、四柱推命を、命式から人生の吉凶、禍福、成敗、貴賎、貧富などを推し量るものと説明し、中国などで用いられている四柱推命と日本で普及しているものとでは解釈方法に大きな違いがあるとされている、と注記しています。『改訂新版 世界大百科事典』は、日本には今も多くの好事家がいて、阿部泰山の研究書が必読のものとされている、と書いています。読み方は国ごとに一つに決まっているものではなく、拠りどころにする本や読み手によって変わります。
サジュナビの結果に出るのは、日干と季節によるタイプ、五行の数、七段階の身強・身弱、通変星、神殺、十年ごとの大運です。用神と格局の判定は出していません。韓国での呼び方を取り入れた項目もあります。天干の色と地支の動物を合わせた呼び名で、計算例の日柱乙巳は「青い蛇」、年柱乙亥は「青い猪」です。60種類の一覧は日柱の動物にあります。
使われ方について、韓国民族文化大百科事典は、良い名前、吉の方位、よく合う宮合(궁합)などは運勢を良いほうへ変えるとされ、どれも四柱に合わせて整えるものだ、と説明しています。宮合は二人の四柱を照らし合わせて見る相性のことで、カタカナではクンハプと書きます。サジュナビでは、サジュ相性占いで二人の命式を比べられます。日本の辞書は四柱推命を「占いの一つ」と定義していて、使われる場面までは書いていません。新年の運勢やサジュカフェなど、現代の韓国での使われ方はサジュとはで扱っています。
韓国式と日本式では、どちらが正確ですか
命式を出すところまでは暦の計算で、答えが決まっています。同じ出生情報に同じ規則を当てれば、韓国式でも日本式でも同じ八文字になります。どちらが正確かを決める根拠はなく、結果が違うときは、採用している規則が違います。確かめる点は次の四つです。
| 生まれの条件 | 変わりうる柱 | 確かめること |
|---|---|---|
| 23時から1時の間 | 日柱、時柱 | 日付を23時で替えるか、0時で替えるか |
| 時刻の境目(奇数時ちょうど)の前後 | 時柱 | 真太陽時に直しているか、時計の時刻のままか |
| サマータイムの実施中 | 時柱。真夜中に近ければ日柱も | 進められていた1時間を戻しているか |
| 立春や節入りの当日 | 年柱、月柱 | 節入りの時刻まで比べているか、日付だけで替えているか |
読み方のほうは、計算とは性質が違います。サジュも四柱推命も伝統的な命理で、科学的に検証された予測の方法ではありません。同じ命式でも、読む人が変われば注目する点も言い方も変わります。これは国の違いというより、読み手の違いです。サジュナビが行うのは、公開した規則で命式を計算し、それぞれの要素が伝統的にどう読まれてきたかを説明するところまでです。